〒332-0033 埼玉県川口市並木元町1-38-407
受付時間:9:00〜18:00(日曜日、祝日を除く)
お気軽にお問合せください
090-8843-5701
新しく理事会役員になられた方や日頃疑問に思われている方のご質問と回答を記載いたします。
管理委託契約は管理組合の運営管理を左右する重
要な業務内容を規定したものです。即ち、管理委託契約書に記述されていない業務は管理会社としての債権債務業務ではありません。
管理組合は管理会社との債権債務業務を明らかに
して管理委託契約書を整備することが重要です。
先ずは、5つの質問をご紹介します。(2023年1月5日新規記載:1~5)
1.管理会社に管理業務を委託する際に注意すべき事項を教えてください。
2.標準管理委託契約書とはどのようなものですか?
3.管理委託契約を解除したいのですが、どのようにすればよいですか?
4.管理業者とトラブルが発生した場合、どこに相談すればよいでしょうか?
5.契約を締結する旨の総会決議後の契約成立の有効性はどのように判断されますか?
Q: 管理会社に管理業務を委託する際に注意すべき事項を教えてください。
A: 管理組合から管理会社に委託する形になりますが、実際には理事会が執行機関で
すので、理事会が管理会社の窓口になります。円滑な組合運営の鍵は理事会にある
わけです。理事会がよく機能しなかったり、管理会社にまかせっぱなしであった
り、反対に管理会社が一方的に業務を処理して理事会に報告しない場合には問題が
生じることが考えられます。
また、管理組合が管理会社に管理業務を委託する場合には、管理委託契約を締結
し、管理委託契約書を取り交わしますので、契約をする際には、当該契約の内容を
事前に十分に確認することが大切です。
Q: 標準管理委託契約書とはどのようなものですか?
A: 標準管理委託契約書は、平成15年に改訂され、正式名を「マンション標準管理委託
契約書」といいます(その後も平成21年、平成28年、平成30年に一部改訂が行われ
ました)。これはマンションの管理委託契約に係る標準的な管理委託契約書として
住宅宅地審議会の答申を経て、管理組合と管理業者が管理委託契約を締結する際の
指針として活用するよう国土交通省が公表したものです。これはあくまでも標準形
であり、実際の契約に当たっては、それぞれのマンションの状況に応じ、適宜修正し
て活用することとなります。
Q: 管理委託契約を解除したいのですが、どのようにすればよいですか?
A: 委託契約書には契約の期間が定められています。また、契約を解除する場合は、
契約書に解除条項の条文が明記されているはずですので、それに従って行うことが
基本です。
標準管理委託契約書では、中途解約は少なくとも3ヶ月前迄に、相手方に対し、解
約の申し入れを行うこととしています。
なお、管理業者から契約更新の申し出があった場合に、更新したくなければその旨
をはっきり伝える必要があります。
Q: 管理業者とトラブルが発生した場合、どこに相談すればよいでしょうか?
A: 国土交通大臣は、マンション管理業者の業務の改善向上を計ることを目的とし
て、指定法人として社団法人マンション管理業協会を指定しています。
また、財団法人マンション管理センターは、マンション管理適正化推進センターと
して国土交通大臣から指定され、マンションの管理に関する苦情の処理のために必
要な指導および助言を行うこととなっています。
Q: 契約を締結する旨の総会決議後の契約成立有効性はどのように判断されますか?
A: 契約の成立には、双方の当事者の意思の合致が求められますので、契約を締結す
る旨の集会決議によって管理組合としての団体意思が形成されなければ、一方の意
思が形成されていませんので契約は成立しません。
また、契約当事者は区分所有者全員であり、管理者に個別の基本代理権の内容とな
る法律行為への授権が必要です。ただし、通常、管理組合は、理事長(管理者)によ
って契約が締結されますので、理事長が、総会決議を経ないで無断で、契約締結行
為をした場合でも、契約の相手方が民法の表見代理を主張する可能性は残ります。
しかし、管理組合の契約の相手方には専門業者の場合が多いでしょうから、このよ
うな業者には、管理者の代理権の範囲の行為であると信じたことに、正当な理由
(善意・無過失)が認められない場合も多いと思われます。